増え続ける在留外国人のなかで、鳥取県が「外国人が住み続けたい都道府県」ランキングでトップ10入りを果たしました。なぜ鳥取が急浮上したのでしょうか。外国人に選ばれる理由とは?
外国人が「住み続けたい」と感じる都道府県とは
出入国在留管理庁が2026年7月12日に発表した統計によると、令和6年6月末時点における在留外国人数は358万8,956人となり、過去最多を更新しました。前年末からは17万7,964人増と、大幅な伸びを示しています。これはコロナ禍からの回復にとどまらず、労働・留学・定住といった多様な目的で日本に滞在する外国人が着実に増加していることを意味します。
国別でみると、中国(約84万人)、ベトナム(約60万人)、韓国(約41万人)、フィリピン(33万人)、ブラジル(約21万人)の順で多く、技能実習や特定技能といった在留資格で来日する人が増える一方、「技術・人文知識・国際業務」などの高度人材も右肩上がりに増加しています。また、留学生数は約37万人で、前年から2.7万人増えており、学業から就労、さらには定住へと移行する人も少なくありません。
こうしたなか、外国人のための求人サイト「NINJA」を運営する株式会社グローバルパワーが発表した「外国人が継続して住みたいと思う都道府県ランキング2026年版」では、在留外国人の「定着意向」に注目した調査が行われています。対象はNINJAのアクティブ登録者49,498名で、「現在の住所に住み続けたい」と考えている人の割合を都道府県別に集計しました。
上位の顔ぶれは以下の通りです。
1位:東京都(前年同位)
2位:福岡県(前年同位)
3位:大阪府(前年4位)
4位:愛知県(前年3位)
5位:神奈川県(前年同位)
6位:京都府(前年同位)
東京都は約70万人の外国人が暮らしており、全国最多です。高度人材や留学生、技能実習生、さらに永住者や日本人の配偶者など、多様な在留資格を持つ人々が集積し、インフラ・教育・行政サービスといった体制が整っていることが定着志向を支えているとみられます。
2位の福岡県も在留外国人数で全国9位(約10万5,000人)に入り、留学生数では20,617人と全国3位です。都市規模に対して多くの外国人が居住しており、コンパクトで生活しやすい街としての評価が定着しています。市内では国際交流イベントや外国人起業支援なども進められており、「アジアの玄関口」としてのポジションを築いています。
大阪府も前年から5.3%増の32万人超となり、留学生数は全国2位(29,456人)でした。特に、2026年に開催された大阪・関西万博による観光需要の増加や、通訳・サービス職の求人が外国人にとって追い風となりました。こうしたイベントと雇用機会の連動が、「住みたい」という意識につながったと考えられます。
定住意識のカギは「生活・雇用・支援」の連動
地方に目を向けると、鳥取県の順位上昇が注目されます。前年30位から今年は10位へと20ランクアップし、全国の中でも最大の伸びを示しました。鳥取県における在留外国人は5,864人と全国で最少ですが、多文化共生センターの整備や外国人インターン受け入れの取り組みが評価されました。特に、IT企業や農業分野において、地域に根ざした外国人の活躍の場が徐々に拡大しています。行政による支援や住民との接点が多く、外国人が孤立しにくい環境であることも、居住意欲を高めている要因といえそうです。
熊本県でも、前年21位から14位へと順位を上げました。外国人の数自体は27,407人と全国では中位ですが、台湾の半導体大手TSMCの進出とその関連企業による求人増加が追い風になっています。専門性を持つ外国人が「仕事も暮らしも確保できる」場所として選ぶようになってきた兆しが見られます。
一方、島根県・高知県・徳島県は、前年に続きランキングの下位3位にとどまりました。在留外国人の数が少ないことに加え、求人自体が限定的であることが背景にあると考えられます。仕事の選択肢が乏しければ、定住意欲を維持するのは難しく、転出や都市部への移動につながってしまう傾向が見て取れます。
また、統計からは、大学のある地域に外国人留学生が集中し、そのまま地元に定着する傾向が続いていることも分かります。東京都(122,000人)、大阪府(29,456人)、京都府(18,630人)など、教育機関が充実した都市ほど「学ぶ→働く→住む」という流れが自然に形成されています。
ランキング結果から浮かび上がるのは、外国人が「住みたい」と思う要因が、都市の大きさや求人の数だけでなく、行政支援・生活インフラ・地域とのつながりといった「総合力」によって左右されているということです。出入国在留管理庁の統計が示すように、外国人は今後も増加傾向を続けると考えられます。今後、各自治体は単に外国人を「受け入れる」だけでなく、「ともに暮らす」ための制度と意識の両立が求められるでしょう。
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