前立腺がんは男性だけがかかる悪性腫瘍で、部位別のがん罹患率では上位に位置しています。手術を受けても再発するケースは少なくなく、再発のリスクを理解しておくことが大切です。
本記事では、前立腺がんの特徴、再発の原因、手術後の経過観察の重要性、さらに再発を防ぐためのポイントについて詳しく解説します。
前立腺がんとは?
前立腺は男性にのみある臓器で、精子を活発に動かすための前立腺液を分泌する役割があります。前立腺を原発とする悪性腫瘍が前立腺がんです。前立腺がんは進行が比較的ゆっくりで、前立腺特異抗原(PSA)という腫瘍マーカーによって早期発見しやすいのが特徴です。そのため死亡率は肺がんや大腸がんに比べて低いとされています。
前立腺がんの再発のしくみ
手術を受けた場合でも、4人に1人は再発するといわれています。再発の主な原因は、手術時に目に見えない小さながん細胞が残ってしまうことです。
再発の兆候は大きく2種類に分けられます。
PSAの上昇による再発 PSAは前立腺の上皮細胞から分泌されるタンパク質で、がんなどによって前立腺組織が破壊されると血中に漏れ出します。腫瘍が小さくてもPSA値の上昇により再発が確認されることがあります。
臨床的再発 腫瘍として再発が確認できる場合です。確認方法は直腸指診やMRI検査があり、特にMRIは小さな腫瘍も見つけやすい精度の高い検査です。
再発を防ぐために経過観察が重要
前立腺がんは進行が遅いものの、再発を早期に発見するためには経過観察が欠かせません。
摘出後でも再発する可能性があるため 目に見えないがんが残っている場合、手術後1年以内に再発するケースもあります。早期発見が命を守る鍵です。
年単位での再発防止が必要 手術後すぐに再発しない場合でも、数年後に再発する可能性があります。定期的なPSA検査や診察を行うことで早期に対応できます。
病状やリスク因子に応じて観察 摘出時にがんが進行していた場合、再発リスクは高くなります。また欧米型の食習慣など、前立腺がんのリスク因子も再発に関係しています。
監視療法という選択肢
前立腺がんは進行が遅く、手術には尿失禁や勃起障害などのリスクもあります。そのため、積極的な治療を行わず、定期的なPSA検査や前立腺生検で経過を確認する「監視療法」が行われることもあります。がんの進行が確認された場合には、手術などの治療に切り替えます。
前立腺がんの治療法
前立腺がんの治療法は、がんの進行度や体調に応じて選択されます。
放射線治療:体外照射と組織内照射があり、副作用として排便や排尿の症状が出ることがあります。
内分泌療法:男性ホルモンの刺激を抑え、がんの進行を遅らせる方法。副作用としてホットフラッシュや性機能低下が起こることがあります。
手術療法:前立腺と精嚢を摘出する方法。がんの進行が前立腺内にとどまる場合に行われますが、尿失禁や性機能低下のリスクがあります。
薬物療法:内分泌療法が効かなくなった場合や手術ができない場合に行われます。
よくある質問
再発しやすい人は? 手術時に前立腺被膜を超えている場合や、欧米型の食習慣の方は再発リスクが高くなります。
再発後に痛みは出る? 初期の再発では痛みがなく、PSA値の上昇のみで確認される場合もあります。痛みが出た場合は骨などへの転移を疑う必要があります。
まとめ
前立腺がんは再発率が決して低くはありませんが、進行はゆっくりで年単位で確認されることも多く、早期発見と継続的な経過観察が非常に重要です。手術後は必ず定期検査を受け、再発の兆候を早く捉えられる体制を整えておきましょう。
また前立腺肥大症や前立腺炎など、PSA値が上昇する病気もあり、症状が出た場合は専門医に相談することが大切です。
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